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トクヤマデンタルの先端技術が、
歯科医療業界の未来をつくっています。
「食べる」ことや「話す」こと。人間が生きることや健康に直結する分野として、歯科医療の重要性が改めて
注目されています。トクヤマデンタルは、歯科器材の研究・開発・販売によって、この分野をリードしてきました。
その中でも特筆すべき技術をご紹介することで、歯科医療業界の「今」を知ってください。
01
SMART
CHROMATIC TECHNOLOGY
より美しく、より自然に。
歯科器材の常識を覆す、トクヤマデンタルの
スマート・クロマティック・テクノロジー。
構造色を活用することで課題を解決。
虫歯になった時に患部を削り、欠損部分に詰める詰め物をコンポジットレジンと言います。これまでは患者の歯の色に合わせるために40種類もの色調から歯科医が選んでいましたが、手間はもちろん元の歯の色と合わせることも難しく大きな課題となっていました。
トクヤマデンタルは、コンポジットレジンに混ぜるフィラー(セラミックなどの粒子)に構造色を活用した微細で均一な粒子を充填することで、この課題を解決することができることを発見しました。構造色とはシャボン玉と同じ原理で、元の物質自体は無色なのに、その物質が光の波長程度の微細構造になると、その構造に光が干渉して様々な色に見える現象のことです。
歯科医療に画期的な進化をもたらす。
この発見によって製品化されたコンポジットレジンは、1本のコンポジットレジンによって、幅広い歯質の色調に同化することができるようになりました。
上記製品は、歯科医療に画期的な進化をもたらし、歯科医師の方の使いやすさが飛躍的に向上すると同時に、より美しく、自然な歯を求める患者の方のご要望にもお応えすることで、トクヤマデンタルの評価をさらに向上させました。
幅広い色調適合性(VITA16シェードに対応)
硬化前のペーストは白色不透明で、歯質との識別が容易です。
歯の色調分布
すべての歯の色調は、赤色から黄色の比較的狭い範囲に分布しています。
10年以上にわたり研究を重ね、
「これまでにない」と言われる製品が完成。
2009年、コンポジットレジンに混ぜる部材であるフィラーの粒子径(直径のサイズ)によってコンポジットレジンの色が変わる現象(構造色の発現)を発見。しかし、歯に詰めることを想定して、重合触媒を用いて硬化させたところ、粒子径ごとの色の変化が見られなくなりました。その後、実験を重ねることで原因がフィラーとモノマーの屈折率の関係にあることを突き止め、硬化後も粒子径ごとに異なる色が発現するペーストの開発に成功しました。2014年に加法混色の原理を応用することで、1本のコンポジットレジンで幅広い色調に適合するスマート・クロマテック・テクノロジーが誕生。
そして、2019年に世界初の製品化に辿り着きました。歯科医師の方々からは、「他社にない画期的な製品」「一度使ったら手放せない」「これまでにない製品だと思う。今後は迷うことなくこれ1本で」など、高い評価をいただいています。
02
RAP
TECHNOLOGY
Radical-Amplified Photopolymerization initiator
重度な虫歯治療などの効率的な治療に。
治療時間を短縮する、
トクヤマデンタルのラップ・テクノロジー。
治療時間をより短くするために。
現在、コンポジットレジンの大部分は、光を照射することによって歯の患部に定着させています。ところが歯科医院の照明に反応したり、重合(分子がつながって高分子化合物になり、硬くなること)に時間がかかるなどの課題がありました。歯科医療の現場では、より短い時間で重合することで、歯科医と患者の方の負担を減らすコンポジットレジンが求められていたのです。
ラジカル増幅剤で硬化する時間を短縮。
トクヤマデンタルのラップ・テクノロジーは、この課題を解決するために開発された技術。ラジカル増幅剤を配合することで、多くのラジカル(硬化反応の種)を発生させ、硬化速度を向上させました。その結果、LEDやハロゲン、キセノンなどの光照時間を従来の1/3に軽減させることに成功。短時間で済ませたい小児の歯科治療や、何層にも充填することが必要な重症の虫歯の治療の負担も軽くなりました。
ラジカル増幅剤の配合
硬化反応の種であるラジカルが発生。硬化速度が向上します。
光照時間の例
ハロゲン、キセノン、LEDのいずれも光照時間が1/3に短縮されます。
-
- ハロゲン
- 5〜10秒(800mW/㎠以上)
-
- キセノン
- 3秒(900mW/㎠以上)
-
- LED
- 5〜10秒(900mW/㎠以上)
光照射時間を短くすることで、
歯科医師にも患者にも心のゆとりを。
20年程前、光照射器は低出力のハロゲン光源が主流だったこともあり、治療にあたっては光照射時間に30~40秒もかかり、歯科医師にも患者にとっても大きな負担になっていました。この状況を何とかしたいと考えていた当社は、2002年にコンポジットレジンの重合触媒系に光酸発生剤を添加することで、短時間の光照射でも重合が起こる、ラップ・テクノロジーを見出しました。ところが、重合開始剤と組み合わせる触媒の影響により、ペーストの保存安定性やペースト性状に問題が生じたため、触媒の種類や添加方法の検討などについて何度も試行錯誤が重ねられ、2005年に製品化が実現。その後もラップ・テクノロジーと様々な重合性モノマーや弊社独自のフィラー技術を組み合わせることで、短時間の光照射で十分な硬化性と審美性の高い治療が可能ないくつかのコンポジットレジンの開発に成功しました。
03
BoSE
TECHNOLOGY
Borate Self-Cure
光照射を使わずに、
安定した接着力を実現。
トクヤマデンタルのボーズ・テクノロジー。
様々な材質に優れた接着性を実現。
コンポジットレジンを歯に接着する際に、光を使わずに光重合に匹敵した安定した接着力を実現する技術、それがトクヤマデンタルのボーズ・テクノロジーです。
光が届きづらい場所などの治療に適しており、2種類の液体を混合し、エアブロー(空気を吹きかける)することにより化学重合し、硬化します。光照射は必要なく、塗布後の待ち時間はゼロ、またエナメル質や象牙質、併用する材料に対して、種類を選ばずに優れた接着性を実現するという汎用性の高い製品であることも特徴です。歯科器材や器械の分野で新しい技術を実用化した功績に贈られる、日本歯科理工学会イノベーション賞を受賞。当社が誇るべき技術の一つです。
硬化反応の実験(モデル系)
2種類の液体を混ぜると、すぐに硬化反応が起こることがわかります。
化学重合開始剤技術 [BoSEテクノロジー]
- 1.酸モノマーを含んだ「A液」を攪拌機にかける
- 2.ボレートが含まれる「B液」を入れ、混和する
- 3.光照射することなく短時間で硬化
- 4.すぐにカチカチの状態になりました
一時は開発中止も検討されたが、
粘り強く研究を続けて製品化に成功。
歯科医療の現場では、光を当てにくい症例にも、安心して同一材料で使用できる接着材が求められている。トクヤマデンタルは早くからこのニーズを捉え、2000年代から試行錯誤を繰り返してきました。2008年には光照射不要の接着材の開発を目指しましたが、ボーズ・テクノロジーの重合性の高さが、接着材の硬化を過剰に促進するという課題から一時は開発中止も検討されました。この課題は揮発性の異なる溶媒を組み合わせることで反応を抑えるというアイデアで解決。その後もいくつかの課題を乗り越え、2014年に製品化が実現。2017年にはあらゆる症例に対し、光照射が要らず1通りの方法により使用可能な汎用型接着材を製品化することができました。歯科医師の方からは「症例によって迷うことがないため、手放せない」「待ち時間なし、光照射なしは画期的」など多くの好意的なご意見をいただいています。